2012年6月18日月曜日

札幌戦で感じた事

試合後、トイレへ寄ったベガルタンの耳には、こんな会話が聞こえて来た。

若者A「それにしても、札幌サポはあんなに頑張っているのに、何なんだよ、この試合は・・・」
若者B「センターラインとバイタルエリアの中心あたりで、あんなにもノンプレッシャーな試合は初めてだよ」
若者A「あれじゃあ「やっちまえ!!」コールをしたサポが恥をかくだけじゃないか」
若者B「やる気が感じられないくらい弱かったよな。気の毒だよ、札幌サポは・・」

普段、このような会話が聞こえてくれば「そんな言い方をしちゃ駄目だよ、明日は我が身。来年、仙台がそうならない保証なんてどこにもないんだから・・・。上から目線で見ることは控え、謙虚にシーズンを戦うのみだ・・・」って自戒気味に自分へ言い聞かすんだけど、この日ばかりは「そうだよな、マジでそうだよな。あれじゃあ、可哀想過ぎるよな・・・」って思ってしまいました。そのくらい、この日の札幌は弱かったです。

勝者サポから敗者サポへの同情が、時に大きな屈辱感や侮辱感という刃となって、敗者サポの心へ突き刺さる事例を、ベガルタンはこれまで嫌という程体験してしまった。宮スタでボコボコにされた浦和戦後に、「仙台も良いチームだったよ、今日は運が無かったね・・・」と言われて全治2カ月。鹿島に何も出来ず大敗した後「皆でしっかり守るのには共感したよ・・・」と言われて全治3カ月。そして降格初年度の開幕戦で、横浜FCからボコボコにされた直後に、そのサポから「開幕戦だからしょうがないよ、これから、これから良くなるって・・」と言われて全治半年。敗者の事を気遣って温かい言葉をチョイスすればするほど、その刃は我々の心を深くえぐるのです。

それを知っているベガルタンは、自身のブログにおいても極力、他サポに対して温かい言葉を掛けた事などありません。負けて、心が折れている時に、勝者のサポから温かい言葉を掛けるのは、弱っている「なめくじ」に塩をふる行為と何ら変われません。そんな事を嫌という程体験しているベガルタンですが、今日だけは敢えて言わせていただきます。

札幌さん、ドンマイ、ドンマイです。必ず春は来ます。札幌にはJ1のチームが必要なんです。頑張ってください・・・。

動画はミヤテレスタジアム

自ら課した不文律を犯してまで、敢えて札幌サポに温かい言葉を掛ける背景には、その試合内容があまりにも酷かったという現実があるからです。札幌のチーム状況はと言えば、下記のような感じでチームはスクランブル状態と言うことは分かっていました。
怪我・体調不良等で欠場
GK李、GK高原、GK曵地、DF奈良、DF岩沼、
MF宮澤、MF高柳、MF古田、
FW上原、FW内村、FW前田、FW横野、FW中山、FW榊

これ、怪我人でスタメン組が作れそうな感じになるくらいの離脱者です。支配下選手が何人いるかは知りませんが、居ても25~30名くらいでしょ、普通。その中から、スタメンクラスの14名が怪我で離脱って・・・どんだけなんですか?これを昨年の実績で仙台に当て嵌めると下記のようになります。
怪我・体調不良等で次節以降欠場
GK林、GK桜井、GK阿部、DF広大、DF菅井
MF関口、MF角田、MF富田、
FW柳沢、FW高原、FW赤嶺、FW奥埜、FW武藤、FW中原

えーと、こんな感じでけが人が出たら、ベガルタンは自閉症となって家から一歩も出る事は無くなるはずです。そして、きっと日曜日に礼拝堂へ行き「神よ、神はどうして我々にこのような試練をお与えになるのですか・・・」と嘆くでしょうな。仙台だって他のチームだって、この時期に怪我人が出る事はしょうがありません。そのようなリスクをヘッジするために、各チームが苦しい財政の中で「よりより人材を多めに確保し合う」という企業間競争を繰り返しているのです。どうやら札幌のフロントは、この企業間競争に負けてしまう以前に、理念や信念を持って参加しなかったようであります。

この怪我人の多さは、個々の選手に全ての責任を負わせることが困難なくらいの数字です。トレーナーやメディカルスタッフの問題もあるでしょうし、怪我をしている選手も「今はチームが苦しいから」と言って無理に試合や練習に出た結果、怪我をしたかも知れません。それには、試合で使える選手に「ゆとり」も無かったのでしょう。こんな時、我々のような貧乏球団には「だって、金が無いんだからしょうがないだろうか!!」という「錦の御旗」があります。しかし、その札幌よりも貧乏な鳥栖が頑張っている以上、そのような言い訳など使えません。何が悪かったのかは分かりませんが、札幌のフロントはプロとしての仕事が「昇格を果たした時点」で終わってしまっていたようですな。

札幌は、日本が陥ってなかなか抜け出せないデフレスパイラルよりも悪質な「負のスパイラル」へ嵌ってしまいました。しかし、仙台だって明日は我が身です。今期の黒字額が大幅に減少する中、首位に立ってタイトルを狙えると言う「いびつなチーム運営」という内情を抱えており、チームが飛躍する為の処方箋が見つからない状況になりつつあります。チームが優勝すれば、新たなスポンサーがバンバン出てくるという時代じゃないことが、フロントの悩みを増長しているのです。毎年のようにタイトル争いをする為には、総収入が浦和の60億円や鹿島や名古屋の40億円オーバーは無理にしても、せめてガンバや川崎のように30億円オーバーは必要でしょう。そのラインにさえ、あと10億円近くの収入増が必要という現実を我々は直視しなければなりません。

仙台の成長戦略は、スモールでコンパクトなものでした。もちろん、財政的にコンパクトにならざるを得ないと言う状況があったのは言うまでもありません。財政的には高額な外人助っ人は採用せず、テクニカルな部分では、チームを支えてくれている日本人選手のスキルアップと、チーム戦術の向上や連係強化という、チーム強化の為には王道であっても、時に結果が出るまで非常に時間が掛かってしまうかもしれないと言う戦略をチームは採用し、その結果が今へと繋がっています。入れ替え戦で敗れた時、その悔しさを知っている選手を「殆ど残す事が出来た」というフロントの頑張りが、仙台の成長戦略への足掛かりだとベガルタンは確信しています。

試合内容に関しては次回書き込みます

3 件のコメント:

  1. 自閉症は生まれつきの情緒障害を伴った知的障害。
    使い所が無知すぎる。

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  2. 仙台に高原はいませんよ。

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  3. 梁勇基殿へ

    中々いいネーミングですな
    確かに、仙台に高原はいません。失礼いたしました
    潜在的に高原が好きなのが分かってしまいましたな

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