2015年9月25日金曜日

ベガルタン総統閣下シリーズ18

ベガルタン総統閣下、山サポにキレる

仙台市青葉区、森深き一本道をくぐり抜けると、第五帝国を復活させて世界制覇をもくろむカルト集団の本部がある。本部の扉を開けると、教会のような礼拝堂があり、そこにはヒットラーの銅像が鎮座されていた。優秀な頭脳集団を形成した第五帝国は、日本が誇る最先端医療技術iPS細胞を駆使し、ヒットラーのクローンを再生させることに成功。まずは、若者の信者を増やすべく、ベガルタ仙台のサポーターのふりをして、誰にも気どられる事無く、ベガサポを入隊させようと画策していたのだった。

この日、ベガルタンは山形市内を営業。昼飯は後輩とイオン山形北店で。そこで、我々は衝撃的な出来事に遭遇したのだった・・。
どこのイオンにでもある和食系のファミレスに入ったベガルタン。平日だったが、意外と混雑。そこで案内されたテーブルに着席すると、後ろから、何やら香ばしい会話が聞こえて来たのだった・・・。

男A「土曜日は何時頃行く?」
男B「天気もイマイチだから、出足は遅いよな」
男C「10時くらいで良くない?」
男A「帰りの渋滞を考えれば、いつもの場所はキープしたいよな」
男C「あの出口付近なら、4時間前で十分」
男B「とにかく、仙台には勝って欲しいよ」
男C「っていうか、生で勝ちが見たい」
男A「見たさ、天皇杯、山形大医学部7-1」
男C「リーグ戦だよ」
男B「そう言えば、全然見てないよな」

ここまでくれば、後ろが山サポである事は確信できる。しかも、序盤は「せめて仙台には・・・」とか「なんとかリーグ戦で・・」とか「奇跡を起こす為には仙台に・・」みたいな感じで、控えめなトークを連発。これには後ろで黙って聞いていたベガルタンも内心で「うんうん、君たちは頑張ったよ、また昇格して来てね」と心からエール。しかし、その内容は過激になる一方だった・・。

男B「ぶっちゃけ、負ける気しないんだけど」
男A「えっ、お前も?」
男C「勝つのは厳しいかもしれないけど、点、取られる気しない」
男B「仙台も状況は厳しいって言うからな」
男C「だって、2nd、2勝しかしてねーんだぞ」
男A「いやいや、うちは0勝だから」
男B「でも、調子は悪いらしいよ」
男C「だからこそ、勝てそうなんだよ」
男A「ウイルソンはデブになってて、ハモンも結果を出せないダメ助っ人だから、やりようによっては勝てるな」
男C「いやいや、カップ戦のように普通にやれば勝つから」
男B「少なくとも、2ndでは、いい勝負」
男A「ある意味、仙台・甲府・清水・神戸戦を残してるって、ラッキーじゃね?」
男C「まずは、仙台をボコボコにして・・・」
男B「そう、「今はチームの状態が良くない」って勘違いしてるからベガサポは。その勘違いを正してやりましょう」
男A「そうなんだよな、勘違いし過ぎだよ、隣は」
男C「基本、バカだから」
男B「そうそう、俺たちはJ1のチームって勘違いしてるんだよ」
男C「基本、弱いくせにね」


正直、頭に来ました。しかし、ここはアウエー(山形)、忍の一字です。この山サポ達は、心の底から「奇跡の残留」を信じているようでした。その意味では素晴らしいサポなんでしょうが、ベガルタンは心の中で、こうシャウトしていたとさ。

「それ、間違いですから!!奇跡は連チャンしませんから!!厳しい事を言うようだけど、他チームからは「残り試合で山形が有るってラッキーだよ」って言われてますから!!さらに言うと「山形は2ndは0勝で終わりそう・・」って言われてますから!!気づいてください、早く気付いてください!!」


明日はモンテ戦、ビート山形!!

2015年9月14日月曜日

名古屋戦

いやぁ~~、ホッとしましたな。ぶっちゃけ、後半も半ばを過ぎたあたりからは「最悪、このまま引き分けて、勝ち点1でも・・・・」と弱気になっておりました。その理由は、山形・山雅・清水・新潟、これらのチームが苦戦をしているとの情報があったので、「だったら、負けなきゃ・・・」と思っていた次第ですが、奥埜のゴールが決まった瞬間、試合に出ていた選手、ベンチの選手やスタッフ達の「喜びよう」を見ていたら、チームは最後の最後まで「勝利」を目指していたようであります。やっぱ、弱気は駄目ですな。

この日の仙台、特に前半なんかは「ラインは結構深め」でした。素人が見ても「まずは、守る気だな・・・」という意思がハッキリ。それとともに「永井とか野田のようにスペースがあれば、いくらでも走りますよ・・」という危険分子が多数居る以上、ある程度は「走らせない為にスペースを無くしたい・・」と考えるのは極めて自然のような気がしてましたな。

仙台の状況はダメダメ君ですが、名古屋も仙台に負けず劣らずダメダメ君モードのようでして、そんな2チームが対戦すると「このような試合になる・・・」土曜日の試合は、この典型でした。仙台はラインを高めに接待しての激しいプレッシングを自重。そうなると、自然にボールポゼッションは名古屋に行くものの、危ない場面(1~2回)は最低限に抑える事が出来ての0-0。前半の戦いはベガサポからすれば不満でしたが、チームとしたら「OK・OK!!予定通り!!」だったのかもしれませんな。

後半に入っても、仙台の重心は低め。何気にハモンと金園へのクサビや、裏への抜けだしでボールがキープ出来ずに重苦しい展開。これによって「ハモンは純粋なFWじゃないから、トップの位置で起用するのは・・」みたいな意見が出ているようですが、確かにチーム状況が良くない中で「結果を出せ」と求めるのは酷な気がします。しかし助っ人である以上、起用されたポジションで結果を残すことは「日本でプレーし続ける為」にはマスト。誰の為でもなく、自分の為に結果を出すしかない・・・。助っ人とは、そのような存在であることを、我々は理解しなければなりませんな。

その流れが明らかに変わったのが「ハモン⇒ウイルソン」となった辺りからです。もちろん、その理由が「ウイルソンが絶好調でキレキレになったから・・・」であれば嬉しいのですが、「単に、名古屋の足が止まったから・・」という意見もあり、一概に「どうして?」は言えません。しかし、ウイルソンが出て来た辺りから、明らかに「あれ?いい感じになってきた?風が吹いてきたか?」となって来たのは明白。

これは単純に「ウイルソンの方がボールキープが出来るから・・」というスキルだけの問題だけじゃなく、他の選手が「ウイルソンが入ったから・・」というメンタルの部分も大きいかと。ウイルソンが居る・居ない・・・そのメンタルによってチーム状態が良くも悪くも左右される・・。結果として、ウイルソンの存在は「そんな存在」なのでしょう、願わくば「ハモンにも、ウイルソンのような選手になって欲しい・・」と心から期待しております。

正直、ゴールのシーン以外で盛り上がった箇所はありませんでしたし、苦しい戦いでした。もっとも「金園が決めていれば・・・」とか「リャンの、あのシュートが決まっていれば・・」とは思いますが、重心を低めにして戦う事を選択する以上、勝つにしても「華々しい打ち合い」などは少なくなり、例えばセットプレーやカウンターなどからの「1-0」での渋チン勝利が多くなるはずです。まっ、しょうがないと言えば、しょうがないんでしょうが。

今年は「勝てば・・残留出来ればそれでいい・・」という考えを否定するつもりはありませんが、それならそれで、「残留争いは昨年と同じ、結局、渡邊ベガルタは進歩が無いってことじゃないのか?」と問われた時、ベガルタンは答えに窮します。こう言うと「選手層がこれでは・・」とか、「怪我でリタイヤする選手が多かったから・・・」みたいに、その原因の一部を簡単に指摘する事は出来るのでしょう。しかし、それらの要因は「仙台にとって毎年のこと・・」でもあります。監督とは、助っ人外人以上に「結果を求められる立場」なので、例え残留出来たとしても、ストーブリーグが「あッチッチ」になるのは確実なようですな。


とにかく、今は勝った事を喜びましょう。そうじゃないと、身体もメンタルも持ちません。湘南戦の事を考えたり、他チームの状況を監視するのは、週末になってからでも遅くはありません。勝ったんですよ?2ndで2勝目なんですよ?ここは素直に喜びましょう。サポーターは勝ったら喜ぶ。この姿勢こそ、大切だと思っています。

2015年9月7日月曜日

仙台大戦

えー、雨中での応援、ご苦労様です。内容に関して言えば、ザ・タッチじゃなくても「ちょっと、チョット・チョット!!」って感じなのでしょうが、ベガサポとして10年以上、天皇杯で社会人や学生との試合を見届けて来た経験者として言わせていただければ、「天皇杯の初戦なんて、あんなもの、あんなものですから・・・」ということでしょうな。

もちろん、相手は学生なので「内容でも結果でも圧倒するべき、しなきゃ駄目!!」という考えには合理性があります。さらに言えば「時折練習している仙台大が相手なんだから・・・」と憤るのにも整合性はあるでしょう。しかし、ノックアウト方式であるトーナメント戦の天皇杯において、最も大事なのは「勝つ事」以外にはありません。勝ったんですから、過度な批判は控えるべきでしょう。だって我々は評論家ではなく、ベガサポなのですから。

過去においては、大学生にも負けましたし、記憶の新しいところでは奈良クラブの岡山に決勝ゴールを決められた事もありましたな。この敗戦直後には「もう駄目、何がなんだか分からない・・」と、奈落の底に落とされた心境になりましたが、今となっては「あの局面で岡山が出てきて、その彼に決勝ゴールを決められるなんて、こんな脚本は橋田寿賀子でも書けねーよ」と感じる次第です。

これらを「今となっては、いい想い出だ・・」と感じれるか否かは、人それぞれでしょうが、「岡山にゴールを決められる、しかもセットプレーからのヘッドではなく、流れの中から豪快なミドルシュートで・・・」こんな、有り得ない事が目の前で起こったのですから、ライブで見る事が出来た我々は勝ち組みかもしれませんな。

あまり雄弁に語れる程の試合内容ではありませんが、ちょっとだけ。前半に関して言えば、ラインを高く設定してきた仙台大の裏を効果的に付く事が出来て、それなりの試合内容だったと感じました。あのくらい裏にスペースがあると、ハモンも奥埜も「水を得た魚」のように躍動するんですな。しかし、リーグ戦では、仙台に対して「あのような戦術」で来るチームは皆無。圧倒的にポゼッションして来るか、徹底的に裏のスペースを消してくるのが、現状では「対仙台戦でのトレンド」でもあります。スペースを消されると、マジでキツイんだいよね。

後半は、野沢のゴールで追加点を取った辺りから、選手もサポも「マッタリモヘド」へ突入しかかりますが、仙台大のCKから綺麗にヘディングで合わされて失点し、マッタリモードは解除。しかしながら、菅井のゴールで3-1にすると、これまた「真マッタリモード突入!!」となり、そこから先は「どちらがプロなのか?」といった試合内容となってしまいました。観てて「ここまで押されるか・・・」って思いましたからな。

それにしても、メンタル的に燃えない試合ではあったものの、学生相手にも2失点。この時点においても「我々の帰るべきところは堅守だ」と監督が言うのであれば、我々は声を大にして「そんな選挙公約みたいな事を言いやがって、結果が出てないじゃないか!!」と言い返す事が余裕で出来ますな。チームの原点を放棄せよ・・・と言うつもりはありませんが、そろそろ「今年の堅守へのアプローチは失敗だった (失敗という言葉を使いたくなければ、成功しなかった) 」と宣言してもいいはずですな。だって、この失点数は異常だからね。

良くも悪くも、手倉森体制でのトライは終了し、チームは「次のステップ」に向かって歩み出す決意をしました。カウンターやセットプレーに特化するのではなく、ボールをポゼッションしながら連動して相手を崩そう・・・。監督やコーチを代え、違った戦術・戦略でリーグ戦を闘おうとしたのです。しかし、結果が出なかった・・。

そこでチームはアーノルドを解任し、渡邊コーチを監督へ昇格させ「成功例があった手倉森時代へと、原点回帰」させることにしたのです。そしてチームは何とか最低限のマストである「残留」を確保し、チームは渡邊ベガルタの進化に期待しました。チームの目標は「勝ち点50でトップ10」とし、その為に必要なチームの根幹を、分かりやすいキャッチフレーズにしました。そのフレーズこそ「堅守賢攻」です。

シーズンも残り8試合。実際のところ「堅守賢攻」へとスムーズに移行出来ないでおり、チーム目標は遥か彼方、それどころか「残留争い」の渦に巻き込まれています。しかし、学生相手でも勝つと嬉しいよね、ホッとするよね。ベガルタンは、この「小さな嬉しさ」を大切にしたいと考えています。


過度に未来に対して不安を煽っても、そこから賢明な改善策が出てくるとは思えません。それよりも、「この1勝を励みにして、次の試合に精一杯ぶつかるだけ・・・」と割り切って戦った方が、応援していった方が、どれほど有意義でしょうか。とにかく、我々は天皇杯2回戦を勝ちきりました。苦しみながらも勝ちきりました。今はただ、このホッとした感情だけでいいと思っています。

2015年9月3日木曜日

ベガルタン、希望を考える

先日、本社での会議の為、朝一の新幹線で東京へ。本社の手前で仲間と出会い、揃って会社へフェードイン。社員専用入り口から社内へ入ろうとすると、「仙台支店のベガルタンさん!!」と、やや大きめの声で向こうから美形の受付嬢が近寄って来た。一緒に居た同輩たちからは「おやおや、リーダーは相変わらず手が早いっすねー」と、からかわれる。

ベガルタン (まんざらでもない顔をして)「おはよう、どうかしましたか?」
受付嬢 「浅沼取締役から言伝が・・「朝一で浅沼のデスクに来るように」とのことです」
同僚 「おい、まだ会議が始まってないのに、カミナリか?」
ベガルタン 「ああ、とつてもない雷が俺を待っているんだ・・」

そんでもって浅沼取締役と対面
浅沼取締役「言いたい事はあるか?」
ベガルタン「いえ、ありません」
浅沼取締役「いい訳や、補足したい説明はあるか?」
ベガルタン「いえ、ありません」
浅沼取締役「なるほど・・・無条件降伏か・・・」
ベガルタン「お力になれず、残念です」
浅沼取締役「使えねーな、お前も仙台も・・・」
こんな感じの冷たい会話が3分程・・・そして最後の締めが・・・
浅沼取締役「もういい、頑張れとは言わん。次の湘南にも負けてくれ・・」

えー、社内倫理規定室の上林部長、これって、立派なパワハラですよね?

ネットの空気では「これで仙台も残留争へ参入・・」みたいな感じになっていますが、ベガルタン的には「大丈夫じゃね」と思っています。何度も言うように、清水や松本が仙台を上回る為には、最低でも仙台より2勝以上しなければなりません。残り試合は、松本9で、清水が8。仙台が2勝したら、松本や清水は4勝以上しなければならず、万が一仙台が3勝したら、5勝とか6勝も、しなきゃ駄目な展開になります。なので、仙台の場合は「相手が、どうのこうのではなく、目先の一つか二つを勝てばいい・・・」となるので、何気に安心している所存です。

もっとも、現状の仙台で「マジで2つも勝てるのか?」と問われれば、その答えに窮するのは確実。最近の試合内容に「希望」が見えない状況では、過度にネガティブとなるサポーターが増えるのもしょうがないことなのかもしれませんな。特に、2ndの「9試合で7敗」はヤバイです。ヤバ過ぎます。一体全体、なにがどうすれば7敗も出来るのでしょうか?

まあ、個人的な主観を述べれば・・・
「7敗を7勝にする事が不可能に近い事は分かっている。しかし、その7敗を3分け4敗にする事ぐらいは、監督の戦術的なやりようによっては可能ではなかったのか?」と思っています。

チームの評価は、すなわち渡邊監督の評価でもあります。怪我人が多い中、彼なりの思慮をめぐらし、懸命に戦おうとしてるのでしょうが、その取り得る戦術の未熟さが「現状の仙台の評価」であり、「現状の監督の評価」でもあります。もちろん「戦術の未熟さ=現状の戦果」であることに論はいりません。「彼も選手も頑張っている・・・」という評価なんて、「7敗もした」という現実を前にすれば、全く意味のない物であるはずです。まっ、ここで大事になってくるのは「来年も監督は継続するのか否か?」でしょうな。

別に、監督解任論者ではありませんが、現状に満足しているサポもスポンサーも少数派のはず。だとしたら、当然のように「来年も渡邊で行くのか?」という議論が少なからず出るのは必定。その時、チームは、選手は、スポンサーは、そして我々サポは、「どのように向き合えば良いのでしょうか?」と問われた時、どのように答えればよいのでしょうか。実は、この手の疑問に対する模範的な答えは現存してます。その答えとは・・

「監督を代えれば、良い結果になるかもしれないし、より悪くなるかもしれない。結局のところ、チーム運営の成功には方程式など無いので、代えてみるのも一計だし、継続するのも、これまた一計。つまるところ、どうなるかは『神のみぞ知る』なのですから、現時点であれこれ考えるのは無意味です」

ベガルタ仙台の未来を、ビッグデータやスパコンで予測すれは、それなりに「ベガルタの未来」を知る事は出来るかもしれません。しかし、未来を知ってしまったら、我々サポーターがユアスタへ行って応援する意味などあるのでしょうか?入れ替え戦で負ける事が分かっていたら、震災直後の川崎戦で勝つことが分かっていたら、私たちは真の意味で感動を得る事が出来たでしょうか?それ以前に、未来を知ってしまったら、今を生きる価値などあるのでしょうか?


我々ベガサポは今、懸命に「不安」と戦っています。もちろん、目指しているのは「不安」の先にある「希望」でしょうが、希望という存在は「不安な気持ちの中にしか生まれてこない」という厄介な物でもあります。大切な事は、「希望」という存在を疑わない事です。ユアスタという箱の中にも、パンドラの箱と同じように、絶対に「希望」は残っている・・・。そうでも思わなけりゃ、ベガサポなんて務まらないと思いませんか?