2012年9月3日月曜日

川崎戦の実感


いやぁ~~、何とか勝ちましたな。川崎というチームをリスペクトすれば、どう考えても「結果は現在のチーム順位どおりだったな・・・」みたいな感じには思えませんが、以前なら試合中に「怒涛って、こんな事を言うんだよなぁ~~」といった川崎の攻撃力が若干コンパクトになって、攻められ続ける恐怖心が大幅に緩和されたような気がします。川崎のチーム事情は分かりませんが、風間兄弟が揃ってスタメンで出ている現状を鑑みれば、決して良くは無いのでしょう。じゃないとおかしいでしょ?今期から加入したメチャクチャ若い監督の息子兄弟が、稲本や小松や小林を押しのけてスタメンって。これが「単なる実力」だとしたら、風間兄弟は、きっとダイヤの原石なのでしょうな。じゃないと中々出来ないよ、川崎のようなチームで二十歳前後のルーキーがスタメンを張り続けるって。



スイッチが入った時の川崎の攻撃力は中々の破壊力、単なる「パス&ゴ―」ではなく、複数以上の人間がボールを起点に「3人目の動き」を継続的にプレーすれば、その攻撃を完璧に抑え込むのは簡単なミッションではありません。しかし、仙台のストロングポイントであるサイドからのクロスを、あんなにも気持ちいいくらいポンポンと放り込ませてくれるチームなんて、現状のJ1では極めてレアな存在です。これまで対戦してきたどのチームも「如何にして仙台のサイド攻撃を抑え込むか?」といったスカウティングが見えましたが、川崎に関しては、守備面に特化して言えば、そのような戦術は微塵も感じられませんでした。良い意味でも悪い意味でも、川崎は「ボールを繋いで攻め続ける」といった理想に向けて走り続けようとする、超攻撃的なチームを目指しているようですな。

チョットブレークして試合前の対決


川崎サポとの良好な関係を示す動画ですな。確かサテライト戦かなんかで、互いのサポが「綱引き」をしているのを見て、「仲いいんだなぁ~~」と思ったことがあります。ここまで良好な関係を構築するに至っては、互いのコアサポ同士の人間関係が大いに影響しているのでしょうが、願わくば、この関係が末長く続いて欲しいものです。

川崎の目指しているサッカーの到達点、そこはきっと「遥かなるエベレストの山頂」よりも遠くにあるんでしょうな。風間氏は自身のブログで、下記のようにコメントしています・・・。

「我々も含め、人は常識にとらわれます。しかし、常識とはいったい何でしょうか。ふと振り返ってみたときに、常識というのは、意外と未来と結びつかないものが多いことに気がつきます。たとえば、今のバルセロナを考えてみてください。十数年前、ボールを持っているだけと揶揄されることもあったバルセロナが、これほど強くなると誰が思ったでしょう。世界の最先端のサッカーになると誰が想像できたでしょう。ですがそれを見据えて、見極めてやってきた人たちがいます。この人たちはそのときに、「非常識だ」とたくさん言われたと思います。
 「非常識だ」と他人から言われることは、すごく可能性がある、あるいは、今までやっていないことをやろうとしている、とも言えるのです。その可能性を自覚して、勇気を持って進んでいくべきではないかと考えます。今、我々が思うサッカーも、何年か先には非常識になるかもしれません。常に、非常識でいること。スポーツの世界では、それは最先端を走っていることになるんだと思います」

風間監督は「非常識であることが最先端」であるということを、川崎というチームを使って証明しようとしています。そして、川崎のフロントは、その可能性に賭けた。その理想や決断を他チームサポがとやかく言う必要はありません。しかし、その理想の代償は「現実の試合結果」となって表れています。その魅力的な攻撃力を展開しようとすればするほど、朴や田村から「いいようにポンポンとクロスを放り込まれてしまう、お粗末な守備」を甘受しなければなりません。ある意味、仙台が現実的な積み重ねでの進化を選択したのに対し、川崎は「究極のチーム」に向けて遠大な理想を追い求める「終わりなき旅」へと舵を切ったようです。

チョット前の強かった川崎は、前線やチームの骨格に外人を据えて、攻撃と守備のバランスに配慮しながら、その攻撃力を前面に押し立てて他チームを圧倒してきました。そして、その攻撃力は現在のチームにも脈々と受け継がれており、その片鱗はこの試合でも観ることが出来ます。しかし、守備に回った時の脆さは素人でさえ「ザルだよなぁ~~・・・」と思えるほどの貧弱さです。まっ、例えにバルセロナを出すくらいに理想は高いのだから、簡単に監督が目指しているサッカーの理想を他チームサポのベガルタンが理解する事なんて不可能に近く、出来ることと言えば「理想を目指して頑張ってください・・」と静かに見守るだけです。理想と現実、その配分って難しいんだよね。

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