2012年7月25日水曜日

しんどい経験、今年はしそうですな

今季の目標は「タイトル」なので、カップ戦もリーグ戦も常に「ガチ」で戦わねばならない宿命をチームは背負っています。このような状況で夏場を戦うのはチーム史上初めてですな。これまでも、チームは苦しい夏場を体験していましたが、それらの苦しい体験は「残留とか、トップ10」のように、比較的ネガティブな状況下の物が「全て」であり、優勝をする為に・・・といったポジティブな状況下で苦しい夏場を体験するのは今年が初めてです。ここで素朴な疑問が浮かんだベガルタンなんだけど、その疑問とは・・・

残留争いとい状況下で戦う場合の心理的・体力的な消耗度と、優勝争い、もしくはタイトル戦線に絡もうとする状況下で戦う場合での心理的・体力的な消耗度は、どんだけ違うのだろうか?
ということである。

我々は、残留争いというネガティブな意味でのタイトな経験は数多くしてきました。ホント、一杯・一杯してきました。なので、そのような状況下での経験値というか偏差値は比較的「高ポイント」です。選手たちも、そして我々サポーターも、残留争いという状況下での偏差値ならば、ゆうに国立大学も余裕で合格できるくらいのレベルにあります。残留争いやトップ10争いの場合、大切なのは「負けない事」であり、勝てなくても負けない事によりライバルチームの疲弊と衰退を待ち、結果的に目標をクリアーできる確率が高くなります。昨年までのサッカーは、これでしたな。例え相手チームから「ドン引き」と揶揄されようとも、昨年までのチームは目標をクリアーする為に、チームとしてブレずに戦うことで、4位という果実を手にしたのです。

しかしながら、今年ミッションは「残留」でなく「タイトル」なので、その場合における経験値はチームとしてもサポとしても高くはありません。偏差値に置き換えれば、二流私立大相当でしょうか。ここでのポイントは「タイトルを狙うのなら負けない戦いも重要だけど、それ以上に勝ちきる戦いが重要だ」ということですな。負けない戦いならば「最悪0-0でもOK!!」となりますが、勝たねばならなくなった時はリスクを課してでも攻めねばなりません。そうなると当然のようにカウンターを喰らうので、結果的に負けてしまう場合も出てきます。昨年までの仙台は、このリスクを極めて排除しながら戦ってきました。自陣にブロックを形成して守り、少ないチャンスを効率よくものにする・・・結果的に勝ちきる試合は少なくなるかもしれないが、負けなければOK・・・。残留争いや、トップ10狙いの戦略の場合は、昨年まで仙台が執ってきた戦略は極めて有効なものでした。

最近の仙台は故障者が多発しているので、スタイルを若干変化させ、昨年までの「負けないサッカー」へシフトチェンジしつつあります。ベースが出来ているので、その時その時の状況で戦術が変化しても、選手たちはそれに対応する事が出来る・・・これは仙台の強みです。しかし、昨年までの戦術はボールを持たれて動かされるので、やっている選手たちからも「後半はしんどい・・」という声が出ていました。事実、神戸戦や名古屋戦の後半は見ていてもタイト出したな。残留とかが目標ならば、これでも良いでしょう。苦しいけど我慢する。ボールを持たれるけど我慢する。圧倒的に攻められても自陣にブロックを形成して我慢する。しかし、タイトルが目標となった場合は、どこかでバランスを崩してでも勝ちきる為に攻めねばなりません。これは意外としんどい事かもしれませんな。

タイトルの為には勝ちきらねばなりません。負けることは持ってのほかという状況で、毎試合、毎試合、トーナメントのように勝たねばなりません。そうなった状況下で戦う場合の心理的・体力的な消耗度は、昨年までには経験できなかったくらいに「しんどい物になるのではないか?」というのがベガルタンの考察です。

神戸戦はワンチャンスを物にでき、名古屋戦は予定通りに引き分けを勝ちとりました。しかし、常に展開が予想通りになる事は無いので、どこかで苦しい局面が必ず出てきます。そんな状況で選手に掛かる肉体的・精神的な負荷を考えれば、それはそれは尋常じゃないでしょうな。そんな負荷から逃げる為には、タイトル争いから離脱すればいいだけです。今年は残留間違いなしでしょうから、終盤に過度なプレッシャーを受ける事は無いでしょう。だけど、それでは哀し過ぎます。仙台がこの時期にこの順位に居る・・・なんて事は毎年のように出来るはずはありません。だからこそ、今年は「その尋常じゃないプレッシャー」を、選手やサポも最後まで経験すべきです。頑張った結果、ボロボロになるかもしれません。勝ちに行こうとした結果、ラインを高く保とうとした結果、相手にカウンターを喰らって負けるかもしれません。だけど、キャンプから取り組んでいる仙台のサッカーを、2012年バージョンの仙台の戦いを最後まで貫くべきです。その結果負けても、それらで得られた経験はチームの財産になると信じています。

昨年までのサッカーが悪いとは言いません。使うなとも言いません。状況によっては、ドン引きも有りでしょう。状況によって使い分けれるなんてオシャレかもしれませんが、その使い訳は「2012年バージョンの戦術が完成してから」じゃないと意味がありません。昨年までのサッカーは、J2からの積み重ねで完成形に近づきました。しかし、今年の戦術は未完成です。未完成での「昨年までのサッカーに戻る」行為は、故障者が出た事やチーム状況からすれば「しょうがない・・」のかもしれませんが、そのことによって「チーム全体が進化したり、経験値が高まる」ことなどありません。

ベースがあるから、いつでも昨年までのサッカーに戻れる・・・。良い事かもしれませんが、その事によって今年取り組んできた戦術が深まる事などありません。これは退化ともいえます。今年はタイトルを狙うと言う状況下で、心理的・体力的な消耗度って、どんだけのものか?を経験する良い機会です。苦しくても、キャンプから取り組んできた戦術を深めて欲しいものですな

今日は東京戦、ビート東京!!

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