2013年8月5日月曜日

川崎戦に想う

勝てて良かった・・・試合後に想った率直な感想です。これで負ければ、半沢直樹なら確実に「やられて、やられて、やられっぱなし・・・疲労感と無念感の倍返しだ!!」とシャウトするのでしょうが、「勝てた」という事実のみで疲労感の倍返しだけは回避する事が出来ました。なにより、なによりです。

試合後、林は「僕たちにとっては勝つことがお客さんに一番のサービスになりますが、今日の内容では、勝ってもお客さんに満足してもらえたかどうか…納得はしていません。そこには危機感があります。今日は相手に、個人個人の技術などでJ1トップクラスのものを見せられましたし、そこから自分達も学んで、もっともっとうまくなろうと思わなければいけません。若い選手もそうだし、もちろん僕自身も、うまくなるためのアンテナを張って高いところを目指さないと。もっと向上心を持ってまた練習からやっていきたい」とコメントしていましたが、正直、勝てても素直には喜べない自分が居ます。何故でしょうか?

昇格が唯一無二の目標だったJ2時代、残留が最低限かつ最良の目標だった昇格初年度、そしてチームは4位となり、昨年には優勝争いをしての2位と言う最高の結果を残すに至りました。これにより、多くのサポーターの目標が「J1での奮闘⇒タイトル」へと変異し、試合結果と共に「その試合内容(勝ち方)」に求めるサポーターリ目が2ランクも3ランクもアップしてしまったのです。社長や監督は、シーズン前に「今年は何とかタイトルを・・・」と堂々と主張し、選手たちも「昨年の借りを返したい・・」「昨年以上の結果を残したい・・」とハッキリ主張するに至って、我々サポーターも、試合結果と共に内容にも「タイトルを取るチーム」の心構えを求めるようになってしまいました。

この試合内容が、タイトルを狙うチームのそれじゃないことぐらいは体感的に分かります。しかし、現状のチーム状況では「内容と結果の2兎」を狙う事は、風車に突っ込んで行ったドン・キホーテなみに愚かな行為であることも分かっています。なので監督は内容よりも結果を求めるべく、昇格初年度のような「ラインを下げてのドン引き」する事さえ決断し、選手たちも割り切って中盤でのボール支配率を放棄してまで、ゴール前を固めました。ここまでゴール前を固めにかかったチームを観たのは、2年ぶりです。

チームは内容を放棄して(あるいは単純に押し込まれて)、結果と言う果実だけを我武者羅(ドン引き)に取りに行きました。そして、一度は追い付かれたものの、何とか勝つ事が出来たのです。この試合は、この結果だけで十分です。フロントも選手も、そしてサポーターも、この試合からは「チームのビジョン」を感じる事など出来なかったでしょうし、改めて川崎との「チーム力の差」に想いを寄せる結果となりました。しかし、我々は結果も内容も手に出来なかったのではなく、「結果」という最低限欲しかった果実だけは手に入れる事が出来たのですから、もうそれだけで十分です。

中々4-3-3が熟成出来ないのも、後半のシュート数が「たったの1本」だったことも、クロスバーやポストに多数救われたことも、全てはチームが成長する為の肥やしだ・・・そう思う事によってのみ、ベガルタンは川崎戦の苦しさから解放されます。これからの数試合は、昇格元年で苦しく、結果が全く出なかった時期を思い出しながら、ゲームを見守る姿勢も必要なのではないか?そうすれば、内容がダメでも結果で安堵出来るかもしれません。内容と結果の両立が困難である以上、どちらかにフォーカスを絞るのは自然の流れです。その場合、仙台は「結果」へフォーカスを絞る事に、ベガルタンは何の違和感も持ちません。試合後、ベガルタンは帰りの車の中で、こんな事を考えていました。

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