2015年4月1日水曜日

昨日の続き

限られた予算を、どうやったら最も効率的に使えるか?極端に言えば、これは国家予算も地方予算も、企業の設備投資だって同様に頭を痛める問題です。しかしながら、ベガルタと違って国家は、国債という借金を無制限に近く発行する事が出来るので、その意味では楽かもしれませんな。もっとも、その分責任が大きいけどね。

2007年、ベガルタは経営検討委員会を開催し、クラブが背負う19億円の債務を解消するために90%の減資を行いました。具体的には、県、市や約120社の株主が所有する発行済み株式数を変えず、約23億円の資本金を一度に10分の1の約2億3000万円に減らし、債務と相殺したのです。つまり、株主から出資された「お金」を、借金を返す為に使うという、資本主義経済下においては「超掟破り」の戦略を実施し、自らの経営体質を健全化する為に、強引ともいえる手法で借金をチャラにしたんですな。

何でこんな話をしたかと言えば、国と違ってベガルタは大きな金額を市場から調達出来ない事を説明したかったのです。リーグのコンプライアンスにより、3年連続で赤字になったら「即アウト!!」。だから、昨年度赤字だったベガルタが今期も大きな金額を借金するのは厳しい。そんな時、まっとうな経営者であれば「増資をお願いして・・・」となるのだが、8年前に借金を踏み倒した会社からの増資を引き受ける企業などこの世に存在はしません。つまり、ベガルタは借金も増資も出来ない、(もしくは「し難い」)チョット困ったチャンな会社なのです。

しかしながら、アベノミクス同様に「成長戦略」をしようと思えば、限られた予算を何とかやりくりして、チーム収入の骨格である“入場料収入”を増やさねばなりません。もちろん入場料収入だけでなく、企業広告における収入も増やし、両輪が安定的に増加する事により、さらなるシナジー効果も起きるでしょう。ここまでは、誰も異存はないと思うので、問題なのは「じゃあ、どうすんのよ?」ということですな。

これまでだって、フロントの人たちは頑張っていたはずです。チームを支える大企業をバックに持たないベガルタとしては、小まめに地元企業へ営業活動しつつ、それと並行して入場料収入を上げるべく、様々なディスカッションを深夜まで行って、考えて、予算内で取り得る戦略を実施した事でしょう。しかし、無念にも観客数は過去最低。タイトル争いといった成績の「後押し」が無い状況では、何をやっても厳しかったのでしょうが、それでも社長の立場だったら「お前たち、過去最低の翌年こそ、踏ん張りどころだと言うのは分かっているよな?」と、軽く脅すのは当然であります。

新規のライトユーザーを獲得する為、チームは様々な戦略を実行しています。だけど、その「一見さん」たちを、コアなヘビーユーザーとするのは大変ですな。とりあえずワンコインだから行ってみる、招待券を貰ったので行ってみる。これらの戦略は、釣りでいえば「まき餌」です。まずは、自分たちのエリア(ユアスタ)に、こんな美味しい餌があるよ(スベクタルナ試合がみれるよ)と告知する事により、不特定多数の魚(ライトユーザー)を集める所までは行けるんだけど、そこから先が難しく、結局はフィッシュ・オン!!出来てません。

普通の事をやってもダメなんだら、だとしたら、ここはコペルニクス的な手法をとり、新規のライトユーザー獲得戦略に費やす予算や、シーズン途中での補強費、さらには宣伝広告費になどを大幅にカットし、その分を「年チケユーザーに対して、これでもか、これでもか、と言うくらいプレミアムを付与する」事に予算を使う・・・としたらどうでしょうか?つまり、(結果的に)いつ来るか分からないライトユーザーの獲得は諦め、必ず来てくれる、もしくは必ず年チケを買ってくれるコアなサポーターたちを囲い込むんです。しかも、今までの年チケプレミアムとは「全く違う異次元のプレミアム」で。


この続きはまた明日

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