2015年3月23日月曜日

湘南戦

えーと、負けなくて良かったですな。この試合だけを見て「湘南に、こんだけ押されては・・・」とか「昇格チームに、ここまでやられるようじゃ・・」とか「この試合で、勝ち点1に満足するチームが・・」みたいに、ネガティブ系なシンキングを持たれる方が、決してマイノリティーじゃない事は分かっております。しかし、ベガルタン的には「今年は、勝ち点50を目標に“新たな土台”を築くシーズン。だからこそ、終盤戦にヒヤヒヤする展開は避ける為にも“負けにくく、泥臭くも守備的なサッカー”に徹し、確実に“勝ち点1”を積み重ねる戦略は、決して間違いではない」とマジ思っております。

ベガルタがチームとして新たなチャレンジした年は、手倉森体制のラストシーズンでした。この年、手倉森監督は「今まで築いてきた堅守速攻という土台の上に、これまで以上にポゼッション率を高め、サイド一辺倒ではなく、真ん中からでもボールを繋いで相手を崩し切るサッカーという“新たな土台”を増築し、平屋だった戦術を二階建てにしてチームとしての厚みを加える」事を模索しました。

簡単に言えば、今までの堅守の上に「将来的には川崎のような攻撃力」をオプションとして加えようと試みたのです。守備的なチームに、攻撃的なスパイスを加える・・・・。言葉にするのは簡単ですが、これが如何に困難なミッションかは、世界的なチームの歴史を見るまでもありません。その困難なミッションにチャレンジできたのは、手倉森体制が、ある意味“万全だったから”であります。チームとは複数年の契約を結び、選手たちからの信用を得つつ、サポーターたちからも信頼を得、さらには、何かとうるさいスポンサーからも一定の理解を得ていた状況だからこそ、手倉森は困難なミッションにチャレンジできたのです。

しかしながら、渡邊監督はと言えば、まだそこまでの信頼を得るには達しておらず、ここで無理に困難なミッションに挑んで連敗しようものなら、確実に「解任の風」が吹き荒れる事を、誰よりも渡邊監督自身が分かっているはずですな。彼は公的な場で“3年計画”を公言しています。つまり、最低でも3年は監督を続けるつもりです。だからこそ、最初から「タイトルを!!」という無理目な目標ではなく、「勝ち点50でトップ10」という、ある意味“地味目”な目標に留まっているのでしょう。

実際、今期のベガルタにとって「勝ち点50でトップ10」という目標は決して楽な物ではありません。しかし「タイトルを」に比べれば、そのハードルは低く、現実味のある目標とも言えます。まあね、勝ち点50が46くらいになっても、「なんだよ、公約違反じゃないか!!お前は民主党か?」と怒る人もそんなに居ないはずですな。そう考えると、毎試合の「勝ち点1」が、とても大切に思えてきます。勝ち点45くらいだったら、昨年と同じ勝利数(9、昨年は9回しか勝ってないんですな)に、プラス2勝と、終盤の失点で負けてしまった試合の中から、4~5試合を分けにすればギリギリ達成可能な数字です。

試合内容的に見れば、素人目にも「湘南の方が・・・」という思いはあります。「いいサッカー」という定義は人それぞれでしょうが、前半に限ってみれば「湘南の試合」だったように思います。しかしながら、そこで踏ん張り、0で抑え、後半の少ないチャンスに活路を見い出すのが、今年の仙台のはずです。ベガルタンだって、川崎のようにガンガン攻めて欲しいし、広島や浦和のようにバンバン、パスを回し崩して欲しいと願っているんだけど、ここは我慢。そう思いながら、堪える試合を観戦していました。

茂木を継続的に起用したり、西村をベンチへ入れたりする・・・。これがもし、入れ替え戦などのような「生か死か!!」という状況ならば、決して同じような起用は出来ないはずです。しかし、渡邊監督はやっている・・・。ということは、明らかに「将来(10年という長いスパンではなく、2~3年という短いスパン)に向けて、チームの土台を作り直していく過程の年にしようとしている」と思って間違いないようです。

高卒の選手を育てる・・・。これが如何に時間が掛かるかは、関口・菅井・富田らの成長を見守って来た人たちならば、何気に分かります。それぞれの成長過程では「あんな奴、要らね!!」とか「なんで使うんだ!!」みたいなバッシングという名の“肥やし”を、何年にもかかって浴びせられながらも、そこから、彼らは盛り返して現在の地位を築いてきたのです。富田や菅井だって、最初から「今の富田や菅井」ではありませんでした。だとしたら、ここはもうチョット我慢して、若手にチャンスを与えながらも、我慢強く勝ち点1を目指すことが、ベガルタの最良の戦略かもしれませんな。


アウエーの湘南戦は厳しい試合でした。しかし、負けませんでした。勝ち点1もゲットしました。もう、今のところ、これだけで十分だと、自分を納得させるベガルタンです。

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