2013年6月24日月曜日

川崎戦

ん~~、勝てなかった・・というよりは、どちらかと言えば「ロスタイムに1点獲って良かった」という事象の方にベガサポはフォーカスしているようですな。確かに、あの松下のゴールが無かったら、この試合でベガサポが得ようとしていた“実利”や“歓喜”などは微塵もなく、暗い気持ちで1週間を過ごさねばならないはずです。あのロスタイムのゴールは、そんな暗い気持ちという名のゲート前でうろうろしていたベガサポの魂を、希望という名のゲートに気づく標識のような役割を演じてくれました。可能ならば、ホームで勝って、せっかく見えて来た希望という名のゲート(ベスト4進出)を突破したいものです。



前半も後半も、何気にボールを回していたような気もします。川崎が、どのような戦術で仙台に対しようとしていたかは分かりませんけど、ボールに対するプレッシャーも厳しくは無く、程良い感じでパスは回せていました。しかし、「ゴールの匂いに直結するようなパスってあったっけ??」と問われれば、後半の蜂須賀⇒赤嶺のヘッドくらいだったような気もします。松下のゴールは、どちらかと言えば“パスを回して崩したのではなく、少ない人数で可能な限りのラストパワープレーが功を奏した結果”でしょうな。ラッキーと言えばラッキーでしょうが、ラッキーも実力のうちと考えれば、多少は気持ちが楽になります。

この試合は、悪い意味でレフリーが目立つ試合でしたが、ベガルタンの持論としては「良い審判であろうと悪い心配であろうと、結局は強いチームが勝つ」という信念があるので、その意味では「勝ちきれない仙台の方が弱いんだな」との思いはあります。先制されたシーンも、あのPKのシーンも、結果としてはショートカウンターを喰らう結果となりましたが、この日の仙台は最後までラインの高さ維持しながら効果的に守れていたことを、私たちは川崎が喰らったオフサイドの数で確認する事が可能です。後半も中盤を過ぎれば体力的にタイトとなり、均整がとれたラインを維持するのは困難なはずですが、この日の仙台は後半の終盤近くまで川崎をオフサイドのトラップに引っ掛けていました。両方の失点に鎌田が絡んでいたことに対して、ネット上で「鎌田は要らねー!!」みたいに言う方の心情は理解しますが、それ以外の場面を冷静に振り返れば「まずまずじゃねーの?」という結論を導き出すのに違和感を覚える人はマイノリティーだと思っています。

大久保、レナト、小林という、決して体格的には恵まれて無い前線の選手たちにとって、ラインを高めに設定して守ろうとする仙台の戦術は決して不得意ではなく、どちらかと言えば“よっしゃ、ここは一発裏でも取ってやろう”と逆にモチベーションは上がるはずです。しかし、そう分かっていても、これまでと同様に、いや、今まで以上にラインを高く保とうとしていた仙台の選手たちを観て、ベガルタンは「昇格した年はドン引きで残留し、2年目はそれよりも高いラインのハイプレッシャーで4位、3年目は高く維持する時と自陣深く戻るメリハリ型でチャレンジして2位となって、4年目の今年は2トップと3トップを併用しつつ、結果は出ないながらも「よりボールをポゼッションしながら崩す」ことにも挑戦・・・これだけ確実にチームの進化(進歩)が見れるチームも珍しいよ」と思っていました。

プロなんだから結果が全て!!に異論はありません。しかし、仙台が「常に結果を出し続けなければならないビッグチーム」ではない以上、結果と同じくらい“チーム進化のプロセス”を楽しむ余裕は必要です。前回のワールドカップ予選の時、我々は入れ替え戦で敗れて奈落の底へ落ち、さらにリャンなどの主力選手の退団に怯え、チーム崩壊へのプロセスゲートの前に立ちすくんでいました。しかし、そこからの5年は、ベガサポとして成長する為の濃密な時間となり、チームとしてもサポーターとしても大きく成長していることを感じられた時を過ごせたはずです。今までの5年間の成長スピードを、これからの5年間も維持して欲しいと願うのはサポーターの我が侭であり、そんな事は不可能に近いと気づいた時、今ベガルタが苦しんでいる現状を温かい目で見守ることが可能となります。

残留して、4位となって、2位となってACLにも出て、タイトルを取って、ACLでも勝ち進んで、世界クラブ選手権にも出て、バルサやバイエルンとも互角に戦う・・・・。確かに理想でしょうが、仙台の予算規模でそこまで望むのは、風車に突っ込んで言ったドン・キホーテと同じくらい無謀です。今年はACLで得難い経験を積んだんだから、リーグ戦で苦しくても我慢するしかないよ・・・これがベガルタンの率直な気持ちです。この5年間で、仙台の推進力の源であった“バネ”は伸びきってしまいました。再び、原動力とする為には、バネのネジを“ある一定の時間を掛け”て巻き戻さなければなりません。階段だって、植物の節だって、安定して成長する為には一定の「踊り場的な“ゆとり”」は絶対に必要です。ひょっとしたら、仙台にとって今年は、その年になる事を覚悟しつつ、後半戦の闘いを見守る事を誓ったベガルタンでした。

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